床塗装で「研磨・目荒らし」が必要な理由は、塗床材をしっかり密着させるためです。
下地処理について
塗床施工では、長持ちする仕上がりのために「下地処理」がとても重要です。
研磨(けんま)
既存の塗膜や汚れ、レイタンス(コンクリート表面の弱い層)を削り取り、強固な下地を出すための作業です。
これにより、塗床材がしっかり密着し、剥がれにくい仕上がりになります。
目荒らし(めあらし)
コンクリート表面や、既存塗床材の表面に、あえて細かな凹凸をつける工程です。
表面に凹凸をつけることで、塗床材がしっかりと食い込み、密着力がさらに高まります。


下地処理を省くリスクについて
施工直後の見た目は問題なく仕上がっているように見えても、「研磨」や「目荒らし」などの下地処理を省くと、後々ほぼ確実に剥がれの原因となります。よって、塗床材を長持ちさせるためには、適切な下地処理が欠かせません。
業者で施工する場合と、DIYで施工する場合の下地処理道具
業者が施工する場合
ポリッシャー
研削機
グラインダー など
DIYで施工する場合
ワイヤーブラシ
サンドペーパー など
下地処理道具の役割
業者施工
| 項目 | ポリッシャー | 研削機 | グラインダー |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | 洗浄 軽い目荒らし | 既存塗膜の研磨 レイタンス除去 下地調整 | ピンポイントの強力研削 |
| 削れる量 | ★ ほぼ削れない | ★★★ しっかり削れる | ★★★★ 局所的に強く削れる |
| 仕上がりの均一性 | ★★★ 広い面を均一に洗浄 | ★★★★ 広面積を平滑に削れる | ★★ 局所研磨向き |
| 用途例 | 床洗浄 油汚れ落とし | 既存塗膜除去 目荒らし レイタンス除去 | クラック周り研磨 段差調整 細かい補修下地 |
| 騒音・粉塵 | 少ない | 多め | 多い(特に粉塵) |
| 塗床工事での役割 | 前洗浄・軽い目荒らし | 標準的な下地処理 | 細かい補修や端部処理 |



DIY施工
| 項目 | ワイヤーブラシ | サンドペーパー |
|---|---|---|
| 主な用途 | 汚れ・付着物の除去 | 研磨・目荒らし |
| 削れる量 | ★ ほぼ削れない | ★★ 中程度 |
| 仕上がりの均一性 | ★★ 傷が残りやすい | ★★★★ 平滑で均一 |
| 用途例 | レイタンス除去の補助 付着物除去 | 下地処理 段差調整 細かな研磨 |
| 騒音・粉塵 | 少ない | 少ない |
| 塗床工事での役割 | 表面汚れや浮きの除去 軽いレイタンス取り | 端部・細部の最終研磨 密着性向上 |


DIY施工される方へのお願い
DIYで施工される場合、専用の下地処理道具が手元にないこともあるかと思います。
そのような場合でも、100円ショップにある簡易的な道具で構いませんので、必ず下地処理を行ってください。
下地処理を省いてしまうと、せっかく塗っても短期間で剥がれてしまう可能性が非常に高くなります。
仕上がりと耐久性を大きく左右する大切な工程ですので、必ず実施するようお願いいたします。
塗装業者様が施工される場合
近年、塗装業者様から「下地処理を行わずに塗床材を施工してしまい、後日クレームになってしまった」というご相談をいただくことが増えております。多くの塗装業者様は、壁面塗装を主業とされており、床専用の下地処理機材をお持ちでない場合がほとんどです。
そのため、塗床材を正しく施工するための「研磨・目荒らし」が十分に行えず、剥がれの原因となってしまいます。
当社では、塗床工事一式の施工はもちろん、「下地処理だけお願いしたい」という部分的なご依頼にも対応しております。
どうぞお気軽にご相談ください。
