基本的には業者に依頼を、DIYで補修する場合には、稼働を止め常温にできるタイミングで。

食品倉庫のような低温環境では、床塗装材の硬化不良が起こりやすく、臭気への配慮も必要となるため、材料の選定が非常に難しいという特徴があります。
温度条件・使用環境・臭気対策など、複数の要素を総合的に判断する必要があるため、基本的には専門業者へ依頼することをおすすめします。
どうしてもDIYで補修される場合は、倉庫の稼働を止め、室内を常温にできるタイミングで行うことが重要です。
また、前日から室内の温度を上げても床の温度はすぐには上がらず、思った以上に低温のままというケースが多く見られます。
そのため、最低でも数日間は常温状態を保ち、必ず床表面の温度を測定したうえで施工するようにしてください。
低温時に起きる塗床トラブルについて
1:硬化不良
硬化反応が進まず、いつまでも柔らかい状態が続く
指で押すと跡がつく、表面がベタつく
2:白化
表面が白く濁ったようになる現象
3:密着不良
後日、「めくれる・剥がれる」原因になる
4:光沢が出ない・ムラが出る
仕上がりがザラつく、均一にならない
5:色ムラ
硬化が均一に進まないため、色がまだらになる
室温と床の温度について
塗床材の多くは、5℃以下では施工できないという基準があります。
ここで注意していただきたいのは、この「5℃」は室温ではなく、床の表面温度を指しているという点です。
コンクリートの床は、室温よりも低くなることが多く、室温が5℃以上でも、床表面温度は5℃未満というケースは珍しくありません。
室温5℃のときの、床温度目安
| 環境条件 | 床温の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 屋内(倉庫・暖房なし) | 2~4℃ | 室温より 1〜3℃低くなるのが一般的 |
| 屋内(基礎が冷えている) | 1~3℃ | 冬期は床が蓄冷され、上がりにくい |
| 屋内(暖房あり・短時間) | 3~5℃ | 床は空気より暖まりにくく、追いつかない場合が多い |
| 屋内(暖房あり・長時間) | 5~8℃ | 数日間加温すれば床温も安定 |
まとめ
低温環境の床は、温度だけでなく湿度・下地の状態など、さまざまな要因が重なり合うため、トラブルが発生しやすい環境です。
また、低温で使用できる塗床材は種類が限られ、硬化は早いものの臭気が強かったり、材料費が高額になりがちといった特徴があります。
温度を上げられない
臭いが強い材料は使えない
予算に限りがある
といった条件が重なる場合、予算内の塗床材を使って、一か八かで施工して硬化不良が起こるより、一度テスト施工を行い、実際の温度環境で問題なく硬化するかを確認することをおすすめします。
当社ではテスト施工も承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
